そして・・・
今度は日照り続きで水の量が減っただけではなく、何度かの増水は鳥達の餌となる草や藻を根こそぎ、流してしまったのです。特にヒドリガモ達のいる場所は水は澄んで綺麗になったのですが、藻はほとんどなくなり、カルガモのグループはこの場から他に餌を求めに行き、休憩に帰ってきます。
写真は土手、土が露出しているところまで水が来て、その場の草木を薙ぎ倒して下流に流された状態です。
飛べる鳥は飛んで行けば、餌ばに困りません。けど、飛べなくなった鳥には過酷です。
そう思っていた8月26日以来、ヒドリガモの姿を見なくなりました。どこに行ったのか、それとも何かに襲われたのか、なんの手がかりもないのです。上の写真は26日に撮影。
その場に残ったカルガモは餌を取るのに苦労してました。
他のカルガモはその場所よりも上流に集まっているようでした。上流は堰がうまく機能しているせいなのか、中洲のような場所に集まってました。それでも川の中の変化はあり、石が集まって河原ができている場所もあり、増水は川の様子をかなり変えるものだと実感しました。
この場所はカルガモ達の休憩地の一つです。雨の日には集まってきます。天気が良い日には全くいません。この周囲、五キロ圏内をねぐらにしているカルガモ達が使ってます。
毎日、観察しているといろいろな発見があります。
さらに豪雨となり・・
8月7日までは平穏な日々でした。が、その夜、台風の影響で豪雨となりました。翌日、気になって行ってみるといつもの場所では川の水が増えて、堰も沈んでました。
この状態ではカモ達はどこに行ったのか?飛ぶことができるカモ達はどこかに避難しているようでしたし、それでも残っているカルガモは水のつかない処にいました。
しかしヒドリガモの姿はなく、やはり流されたのだと思ってました。が、帰ろうとした時、堰の上で横切っていくカモが目に入りました。あれ!ヒドリガモじゃないかと思って、双眼鏡で確認するとまさしくカレでした。
でも、その場所は堰のすぐ上でした。今後の雨の予想では明らかに危険なところです。そんなことはカレにはわからないし、伝えようもありません。こののってる石もすぐに沈むよと思って、しばらくして見るとカレの姿が確認できなくなりました。どこに行ったのか?
次の9日、ものすごい水量になってました。河川敷の上まで来てました。この水ではカモ達は川から離れているのに違いない。けど、飛べない鳥はどうしているのだろう?
雨が上がって、元の日々が戻ってきてもヒドリガモの姿は見られず、とうとう洪水の犠牲になったのだろうと落胆してました。
それから一週間、16日の午後、堰の真下の橋の下にヒドリガモが何事もなかったようにいたのです。それまでその辺りを確認しても見つからなかったのに・・・どこにいたのでしょう。
その後、その場にいるカルガモ達と行動を共にして、穏やかに過ごしてました。
夏が来て
暑くなって、散歩に行くのが少しキビシくなりました。それでも毎日、欠かさず行くのは鳥を見たいという気持ちが強くて、休むことが出来ません。雨が降ろうと行くので友人に呆れられてます。
いつもの水量に戻った川では鳥たちが餌を求めて移動します。観察してると棲家は決まっていて、その上下せいぜい5k m圏内を移動しているように思えます。
片羽を失ったヒドリガモは約500 mの範囲でしか移動できないのです。1k m間隔で堰があって、堰を上がることができないのです。流れの強いところでは上流には行けず、押し流されてしまうのを見るのです。
以前、この場にいたコガモも飛ぶところを見たことがなかったですから、多分、何らかの傷を持っていたのでしょう。しかし生き延びている彼らは強いです。懸命に餌を食べて生きようとしている。それを見ると単純に生きるということが命を受けたものの原点なんだと思うのです。
生きる目的を見つけたい!なんて、人間は面倒な動物だとつくづく思います。羽が無くなろうと生きる!生きていれば、そこそこ交流もあり、という・・コガモはウの仲間の近くにいました。ウはコガモを受け入れ、意地悪をすることはなく、大きなウに守られて生きていました。
同じようにヒドリガモもその場にいようとしたのですが、ウは彼を受け入れなかった。追い払われるのを何度も見ました。その後、ヒドリガモはその場を離れ、200 mほど上流に移動しました。
カルガモ達がいましたが、彼を追い出すことはなく、付かず離れずの距離を保って、日々、平和でした。
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