「型染・五人展-2012」
この日曜日、友人たちの型染の作品展を見に行きました。彼女たちとは京都造形芸大の大学院で一緒だった学友です。院では私だけが織で他の人は染色でした。布を染めることは私には未知の分野、一緒だった2年間で染めを少し知ることができました。
型染は型紙で型を作り染める技法です。染めは織りと違って、色をおいた時点で一瞬に染まるわけで、織りに比べると楽のように思うのですが、染めるまでの行程がなかなか大変です。年賀状の芋版作りをより細密にしたものだと想像したら、型作りの大変な作業が理解できると思います。描きたいところを反転させ、細い箇所はどこかで大きな部分に繋がないと切れてしまう。。とにかく手仕事は何でも簡単ではないです。
さて、友人達の作品展は京都の三条通にある同時代ギャラリーでした。ここは私たち仲間も何度か、グループ展をしています。人通りが多くて、通りすがりの人も入りやすい。京都はギャラリーが多く、それらを廻ることを目的にしている人々も立ち寄るギャラリーのひとつでもある。以前は毎日新聞社が使っていた建物でレトロな雰囲気があって面白い。その一階にギャラリーがあります。
入り口のドア窓越しに中を覗く。あれは佐野さんの作品だ。ふっと大学院時代の合評を思い出しました。なつかしい授業風景を。あれから3年が経つ、そんなに時間が経過してるのかと…思いながら中に入りました。
さあ、友人たちの作品を紹介しましょう。
佐野江美子さんの作品 彼女は植物の写生から、何かを感じた部分以外をどんどん削ぎ落していったものを染めていたような。。。赤と黒がいいね!
根岸き久江さんの作品 彼女は染めを始めて長いらしい、型染暦は10数年と言われていた。いろんな試みを思いついて、次々と挑戦している。一般的な型染の常識とは逆の発想だったり。。で、それはそれで大変なエネルギーがいるんだけど。気に入るまで、同じ型で何度も染めて。右の大きな作品は何枚もゴミ箱にね!って、笑って話してました。細かい模様の型を作って、それらを染め重ねている。一部をトリミングしてみました。
村上由江さんの作品 彼女は自分で野菜を作っていて、それらの野菜からの透き通ったような空気、透過みたいなものを表現したいって、合評で言われていたような。。。キャベツかしら?美しい透過。。。
私が行った日は最終日でした。休日で混み合った三条通、次々と通りすがりの人が入ってくるのです。平日でもたくさんの人が来てくれたとのこと。この場所は自分たちの作品を見てもらい、いろんな意見を聞くにはとても刺激的な場所だと改めて思いました。
そうそう私たちも去年の5月、ここのコラージュという部屋でグループ展をしました。外から見るとこんな感じでした。
スウェーデンの切り絵作家
先日、スウェーデン大使館で「アグネータ・フロックの世界」〜ゆめ×織×物語〜を開催しているというスウェーデン在住の方からのツイートを見つけて行ってきました。
つづれ織りの作品と切り絵が展示してありました。アグネータさんも会場におられて、次々と来場する人たちと作品の説明や作品の前での記念撮影をされてました。彼女の著書やDVDはその日のうちに着くということで4時間ほど、大使館や近くで食事したりして、すっかり常連のようになってしまいました。お世話になりました。大使館のハヤミさん。
アグネータさんの切り絵は色がとても綺麗です。はさみで白い紙をフリーハンドで切り取っていく。バラバラにならないように繋がった切り方です。切り取った切り絵に顔彩で色をつけていくという手法です。
描かれているのは自然界の生物、植物、童話、民話などに登場する人やもの、楽器、いろいろ夢のあるモチーフを楽しく暖かく美しく、それらが動きをともなって、まるで歌うように、踊るように、音楽も聴こえてくるような作品群でした。お会いしたアグネータさんのお人柄がそのまま伝わってきます。
私と友人もアグネータさんとの記念写真を撮らせていただきました。片言の英語での話しかできなくて残念でしたが良い時間を過ごしました。私にとっては刺激的な素晴らしい出会いでした。
川越に移動して、28日まで開催されてます。お勧めします。
「花挿しに囁く展」
今年も林秀行先生の個展が日本橋高島屋の隣の壺中居でありました。行ってきました。毎回、いつも人の絶えない個展です。先生のお人柄に集まった知らない者同士、先生との意義ある会話を楽しみました。2011/10/3~10/8
私「今は便利になって、植物染料でも材料の植物を煮出さないで、すでに煮出した液を染料屋で売っているんですよ」林先生「釉薬でも土でも調合されたものを使ったりするようになってる。土を採集してくるところからとは言わないけど、どんな土が合っているのか、自分の土にする工夫、捏ねて作っていくことが大事なんだと思う。」
私は最近、台所のIHで染めをする。便利なのが炎がないから、糸が焦げるという心配しないでいられる。けど、炎での微妙な調整がないのが良いのかどうか?という疑問を話すと林先生が全くそういう経験がないのではなく、よく知ってる上でなのでいいんじゃないかと言われた。
何でも便利になって面倒なことを省き、手軽に染めたりできるようになった。そういう商品が開発されていく。アートもそういう時代になったわけで、誰でもそこそこ上手くいける。それが本当に良いのかという問いかけをされている。先生の場合は陶芸なんだけど、どの分野も同じで、自分で一から作り上げていくことから見えてくるものにこそ、自分を成長させるものがある。そんな思いを強くした。
そんな話題などなど、なにげない話の中にピン!と感じるものがいつもある。けっして上から意見を言われるわけではなくて、誰もとも同じ高さにあって、分け隔てなく、そこに集まったもの全員と楽しい会話なんです。
林先生って、ほんとうに素晴らしい方です。造形大で陶芸を学ばれた方々が羨ましいです。
森の展覧会
今日は駒ヶ根でした。宮崎学さんに作品の写真を撮ってもらうために行ってきました。やや雨模様になりそうな日でした。大丈夫かなって思いながら、浜松から東名、東海環状自動車道、中央自動車道を走って三時間、かかりました。
うーん!やはり雨が。。。
近くのイタリア料理の店オズで石焼釜で焼く美味しいピザをいただきました。思い出すとまた食べたいです!!オズのご主人、雨が降るようだったら、店で撮影しても良いと言ってくださったようです。
雨がパラパラする中、駒ヶ池に向かいました。多少、雨が降っていても、樹々が遮ってくれそうなので撮影開始。樹々と風景の微妙な空間と色合いの中にあって、作品が実物以上によく見えます。
そのうち雨がやんで晴れ間が覗く。光が射し、少し濡れた樹々の緑が美しい。いくつかの額に入った作品をあちこちに置くとまるで森の展覧会になった。
宮崎さんが撮ると自然の中で息づく布たち、今日は彼らの晴れの日だ!!
半日を費やして、撮っていただきました。貴重な時間をありがとうございました。
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